奨学金のこと

奨学金を借りなければ大学に行けなかったので、とても有り難かった。
就活の費用も、引っ越しの費用も、ここからお金を出していたので本当に有り難かった。

幸いなことに、返還にはそれほど苦労していない。毎月、あと少し余分に使えたり貯金に回せたらいいなとぼんやり思うくらい。

昭和の苦学生みたいね
奨学金借りてたの!?
奨学金、あといくら残ってるの?

とかいう、周りの視線が痛い。
返還するお財布の痛みより。

こういう反応が返ってくるたび、自分は何か間違ったところに来てしまったのでは…と思ってしまう。

歯の矯正のお金は、親に出してもらったよ?
自分で出すなんて偉いね!

とか、多分、正直な感想なんだろう。

苦学生と言われたのは、大学時代に1回、就職してから1回。

苦学生なんて言葉、本の世界でしか見たことなかったのに(明治の書生、みたいな)、まさか2000年代の大学生の私がそんなこと言われるなんて夢にも思ってなかったよね。

何も卑屈になることなんてないけど、時々「どうしてそんなことを言われなきゃいけないんだ。」と思ったりする。