最近読んだ本

このところ、といっても、まだ5日しか働いていないのですが、

すっかりやる気を喪失してました。

 

最近読んだ本のひとつ。

実在するアフガニスタンの本屋の家族の物語。

著者が彼らと寝食を共にする中で、見聞きした様々な出来事を

小説風に書き起こしたものがこれ。

 

まず表紙にびっくりだよね。

ブルカって目も隠すのかと。

カブールの本屋―アフガニスタンのある家族の物語

カブールの本屋―アフガニスタンのある家族の物語

 

何世紀にもわたる女性への不当な扱い。ある者は「生まれ変わるなら女より石の方がいい」と詩にうたった。朝から晩まで大家族のために家事育児をして、学校にも行かせてもらえず、ある年齢になったら親の決めた相手に嫁がされて、そこでも働き詰めで心休まる暇はない。

 

こないだ観た『少女は自転車にのって』では、厳しい戒律のもとでも自分らしく生きようとする人々がいきいきと描かれてた。おてんば(もしかして:死語?)な主人公に、仕事をもって外に働きに出ている母親。ピンヒールを履いた校長。校則違反のマニキュアをこっそりと塗る上級生。

 

随所で「自分らしくできない」もどかしさを感じたけれど、本書で描かれている社会では「自分らしさとは何か?」ということを自分に問うことも許されていない。まして、外に向かって発言することも容易なことではない。

英語が話せて、海外の事情にも通じている"進歩的な"店主ではあるけれど、家庭内での振る舞いは、封建的な家父長制のそれである。女性が"そのようにすること"が当たり前で、"そのようにしない"という選択肢はない。

 

前述の映画は、明るい未来を感じさせる終わり方だったけれど、対照的に本書は、如何ともし難い社会への諦観や息苦しさが残りました。